『ストレンジャー・シングス』のダファー兄弟さんがエグゼクティブ・プロデューサーを務める新作SFミステリーが、『ザ・ボローズ』です(Netflix・2026年5月21日配信/全8話)。引退コミュニティに集う高齢者たちが、街に潜む謎に立ち向かう群像劇になっています。
最大の見どころは、誰もがどこかで観ているベテラン俳優の顔ぶれが勢ぞろいしていることです。アルフレッド・モリーナさん、ジーナ・デイヴィスさん、アルフレ・ウッダードさん、ビル・プルマンさん、デニス・オヘアさん、クラーク・ピータースさんら、アカデミー賞女優からヴィラン役の名脇役まで、世代を越えて活躍してきた俳優が一堂に会します。
この記事では、主要キャスト8名の役どころと、代表的な出演作を整理しました。誰が誰だったか思い出しながら観ると、ベテランの芸達者ぶりがもっと楽しめるはずです。
→ 作品の全体像は『ザ・ボローズ』ハブ記事(視聴後に公開予定)をご覧ください。
キャスト一覧
| 役名 | 俳優 | 役柄 |
|---|---|---|
| サム・クーパー | アルフレッド・モリーナ | 妻を亡くした元・航空エンジニア |
| ジャック | ビル・プルマン | サムが最初に出会う隣人 |
| ジュディ・ダニエルズ | アルフレ・ウッダード | 元ジャーナリスト |
| アート・ダニエルズ | クラーク・ピータース | 霊性を追求する自由人 |
| ウォリー・ベイカー | デニス・オヘア | 末期がんを抱える元医師 |
| レネー | ジーナ・デイヴィス | 斜に構えた元・音楽マネージャー |
| クレア | ジーナ・マローン | サムのひとり娘 |
| パス・ナバロ | カルロス・ミランダ | 元ミュージシャンの警備員 |
アルフレッド・モリーナ(サム・クーパー役)——主人公を背負う名匠
主人公サム・クーパーを演じるのは、アルフレッド・モリーナさんです。妻を亡くし、娘の勧めで引退コミュニティ「ボローズ」に移ってきた元・航空エンジニアという役どころ。本作の物語は、ほぼこのサムの視点を軸に展開していきます。
モリーナさんといえば、やはり『スパイダーマン2』のドクター・オクトパス(オクタヴィアス博士)を思い浮かべる方が多いはずです。さらに『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』にも再登場し、シリーズを越えてその役を再演しました。ヴィラン役で世代を超えて記憶に残っている俳優です。
そんなコミック大作のイメージとは別に、ジュリー・テイモアさん監督『フリーダ』ではディエゴ・リベラを演じ、BAFTA助演男優賞とSAG助演男優賞にノミネートされています。骨太な人間ドラマでも力を発揮できる、芸域の広い俳優です。
本作では悪役でもアクションヒーローでもなく、不器用に新生活に踏み出す老人を演じます。表情ひとつで諦めと希望を行き来する、いつもの「モリーナさん印」が活きる役どころと感じました。
ジーナ・デイヴィス(レネー役)——アカデミー賞女優の貫禄
レネーを演じるのはジーナ・デイヴィスさんです。元・音楽マネージャーで、皮肉屋ながら強烈な個性を持つ女性という役どころ。年齢を重ねても色褪せない存在感が、設定にぴったり重なります。
代表作はとにかく多彩です。『偶然の旅行者』(1988年)でアカデミー賞助演女優賞を受賞。リドリー・スコットさん監督『テルマ&ルイーズ』では主演女優賞にもノミネートされました。さらにペニー・マーシャルさん監督の野球映画『プリティ・リーグ』、ティム・バートンさん監督『ビートルジュース』など、80〜90年代の名作にも欠かせない顔です。
近年はテレビでも活躍。Netflixのプロレスドラマ『GLOW』にも参加しています。スクリーンを離れても、ハリウッドの女性表象を可視化する活動家として知られていて、その経歴の厚みがそのまま「レネー」のオーラに転化しているようでした。
『ザ・ボローズ』では、コミュニティの常識を揺さぶる強烈な個性派の立ち位置のようです。シリアスな展開のなかで、デイヴィスさんが登場するシーンの空気感がどう変わるか。注目しておきたいポイントです。
アルフレ・ウッダード(ジュディ・ダニエルズ役)——元ジャーナリストの慧眼
ジュディを演じるのは、アルフレ・ウッダードさんです。元ジャーナリストという設定で、街の異変にいち早く違和感を覚える役どころになります。
ウッダードさんはアカデミー賞・エミー賞・ゴールデングローブ賞すべてにノミネート歴を持つ、アメリカを代表する性格俳優のひとり。マーベル作品でも『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』のミリアム・シャープ、『ルーク・ケイジ』のマライア・ディラードを演じ、シリアス系・エンタメ系を問わず存在感を発揮してきました。
個人的に印象的なのは『それでも夜は明ける』(2013年)です。短い出演ながら強烈な余韻を残す芝居で、忘れがたい一本でした。
本作の予告編でも、街に隠された秘密に最初に踏み込もうとするのが彼女のキャラクターのようです。元ジャーナリストの直感が、サムたちを動かす原動力になりそうな予感がします。
ビル・プルマン(ジャック役)——大統領役のあの俳優、再び
ジャックを演じるのはビル・プルマンさんです。サムが「ボローズ」で最初に出会う隣人という役どころになります。
プルマンさんの代表作といえば、ローランド・エメリッヒさん監督『インデペンデンス・デイ』のホイットモア大統領。20年後の続編にも再登板し、世代を問わず記憶に残る顔になりました。コメディ『スペースボール』のローン・スター隊長役も忘れがたい一本です。
ここ数年はサスペンス系ドラマで底力を発揮。USAネットワークの『The Sinner』(2017〜2021年)では田舎の刑事ハリー・アンブローズを4シーズン演じきり、内向的な役どころでの巧みさを再認識させてくれました。
『ザ・ボローズ』では、ハリウッド大作のヒーローでも疲れた刑事でもない、新しい街にやってきたサムに声をかける「ご近所さん」を演じます。プルマンさんの優しさが滲む芝居が、本作の温度感を作る大事な要素になりそうです。
その他の注目キャスト
デニス・オヘア(ウォリー・ベイカー役)
末期がんを宣告された元医師ウォリーを演じるのは、デニス・オヘアさんです。HBO『TRUE BLOOD』のラッセル・エディントン、『アメリカン・ホラー・ストーリー』のラリー・ハーヴェイなど、強烈なキャラクター造形に定評がある名脇役。
終末期にある人物だからこそ持てる視座をどう演じるか。シリーズが進むにつれて重要度が増しそうな配役です。
クラーク・ピータース(アート・ダニエルズ役)
アートを演じるのはクラーク・ピータースさんです。HBO『THE WIRE/ザ・ワイヤー』のレスター・フリーマン、『TREME/トレメ』のアルバート・”ビッグ・チーフ”・ラムバルー役で知られる、アメリカのドラマファンには馴染み深い俳優です。スパイク・リーさん監督『ザ・ファイブ・ブラッズ』にも出演しています。
霊性を追求する穏やかな住人という設定が、ピータースさんの飄々とした佇まいと噛み合いそうな配役です。
ジーナ・マローン(クレア役)
サムの娘クレアを演じるのは、ジーナ・マローンさんです。『コンタクト』(1997年)の少年時代エリーや『ステップマム』、『ハンガー・ゲーム』シリーズのジョアンナ・メイソン役、『ドニー・ダーコ』『プライドと偏見』などで知られる実力派。年配のベテラン勢が中心の本作にあって、視聴者を「外側」から物語に引き込むキー人物になります。
カルロス・ミランダ(パス・ナバロ役)
警備員パスを演じるのはカルロス・ミランダさんです。元ミュージシャンで、雇い主への忠誠と住人たちへの心配のあいだで揺れる立場という、ドラマの結節点になる役どころになります。
まとめ
『ザ・ボローズ』はキャストの厚みだけで観る価値があるシリーズです。モリーナさんの抑えた表情芝居、デイヴィスさんの強い個性、ウッダードさんの落ち着いた佇まい、プルマンさんの優しい声、オヘアさんの陰のある演技、ピータースさんの飄々とした語り口。各俳優の代表作を覚えてから観ると、それぞれの引き出しが「ボローズ」でどう開かれるかが楽しめます。
役名と顔がつながると、群像劇の解像度が一気に上がります。「あの映画のあの人だ」と思い出しながら観ると、ベテランたちの芝居がもっと身に染みるはずです。配信開始は5月21日、まずは第1話でサムの視点から「ボローズ」に踏み込んでみてください。
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