「Netflixで新しいアニメを探しているけど、何か面白い作品はないかな?」
そんな風に思っている方に、ぜひおすすめしたい作品があります。それが、2025年12月31日からNetflixで世界独占配信がスタートした劇場アニメーション『ひゃくえむ。』です。
100m走という、たった10秒ほどの競技に人生を懸ける2人の主人公を描いたこの作品。単なるスポーツアニメではありません。ロトスコープという革新的な技術で描かれた、見たことないようなアニメーション表現。松坂桃李さんと染谷将太さんという実力派声優陣の圧倒的な演技。
そして何より、「何故走るのか」という哲学的な問いが物語の核心にあります。
実際に劇場で観た方からは「傑作すぎる」「エグいぐらい面白い」という声が続出。Filmarksでは4.2点という高評価を獲得し、興行収入も7億円を突破する大ヒット作となりました。
この記事では、そんな『ひゃくえむ。』の魅力を余すところなくお伝えします。ロトスコープの表現技術から、声優陣の演技、哲学的なテーマまで、見どころを詳しく解説していきます。
※この記事にはネタバレが含まれます。未視聴の方はご注意ください。
『ひゃくえむ。』の基本情報
あらすじ(ネタバレなし)
生まれつき足が速く、「友達」も「居場所」もその才能によって手に入れてきたトガシ。一方、辛い現実を忘れるため、ただがむしゃらに走っていた転校生の小宮。
小学6年生の時、トガシはそんな小宮に速く走る方法を教え、放課後2人で練習を重ねます。打ち込むものを見つけ、貪欲に記録を追うようになる小宮。次第に2人は100m走を通して、ライバルとも親友ともいえる関係になっていきました。
数年後、天才スプリンターとして名を馳せるも、勝ち続けなければいけない恐怖に怯えるトガシの前に、トップスプリンターの一人となった小宮が現れます。
100mという短い距離に、すべてを懸けた情熱と狂気の物語が、ここから始まります。
配信情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 配信開始日 | 2025年12月31日(Netflix世界独占配信) |
| 劇場公開日 | 2025年9月19日(金) |
| エピソード数 | 劇場アニメーション(単発作品) |
| 主演声優 | 松坂桃李(トガシ役)、染谷将太(小宮役) |
| 監督 | 岩井澤健治 |
| 脚本 | むとうやすゆき |
| キャラクターデザイン・総作画監督 | 小嶋慶祐 |
| 音楽 | 堤博明 |
| 原作 | 魚豊『ひゃくえむ。』(講談社「マガジンポケット」所載) |
| 主題歌 | Official髭男dism「らしさ」 |
| 配信サービス | Netflix(世界190以上の国と地域で独占配信) |
| アニメーション制作 | ロックンロール・マウンテン |
| Filmarks評価 | 4.2点(5点満点) |
| 興行収入 | 7億円突破、動員47万人 |
相関図で整理する『作品タイトル』
物語の内容を読み取れるため、視聴後の振り返り用としてご覧ください。
graph LR
%% --- デザイン定義(見たログ専用) ---
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classDef enemy fill:#ffffff,stroke:#9E2A2B,stroke-width:1.5px,color:#333;
classDef sub fill:#ffffff,stroke:#d1d5db,stroke-width:1px,color:#555;
classDef key fill:#ffffff,stroke:#1F8A9E,stroke-width:1.5px,color:#333;
%% --- ノード定義 ---
%% 主人公
Togashi("トガシ
(松坂桃李)"):::main
Komiya("小宮
(染谷将太)"):::main
%% ライバル・壁
Zaitsu("財津
(内山昂輝)"):::enemy
Nigami("仁神
(笠間淳)"):::key
Kaido("海棠
(津田健次郎)"):::sub
%% --- 関係性の定義 ---
%% トガシと小宮の関係(中央)
Togashi <-->|走り方を教える
ライバル・親友| Komiya
%% 仁神(左:過去)
Nigami -->|敗北への恐怖を植え付ける
中学時代の強豪| Togashi
Komiya -.->|実力差を痛感| Nigami
%% 財津・海棠(右:未来・目標)
Zaitsu -->|絶対王者
超えるべき壁| Togashi
Zaitsu -->|到達すべき頂点| Komiya
Kaido -->|実業団の先輩
再起への助言| Togashi
Zaitsu -->|王座を阻む| Kaido
%% レイアウト調整(左から右への流れを強制)
%% 仁神(過去) -> トガシ(現在) -> 財津(未来)
Nigami ~~~ Togashi
Togashi ~~~ Zaitsu
Komiya ~~~ Kaido
ムラサキ視聴後にまた来てね。
見どころ①:ロトスコープによる革新的なアニメーション表現
『ひゃくえむ。』の最大の特徴と言えるのが、ロトスコープという技術を使ったアニメーション表現です。作品全体の約7割がロトスコープで作画されており、これまでのアニメとは全く違う、見たことないような映像体験を味わえます。
ロトスコープとは、実写映像をフレームごとにトレースしてアニメーションに変換する手法。本作では、実際の陸上選手の動きをそのままアニメ化することで、100m走の疾走感や、選手たちの息づかいまで、驚くほどリアルに表現されています。
監督の岩井澤健治氏は、長編1作目の『音楽』(2020年)でも全編ロトスコープ技法を採用。オタワ国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門グランプリや、アヌシー国際アニメーション映画祭の長編部門最優秀オリジナル音楽賞など、国内外で高い評価を受けた作品です。
『音楽』も素晴らしい作品でしたが、『ひゃくえむ。』ではさらに技術が進化し、実写とアニメーションの境界が曖昧になるほどの表現力を実現しています。
実際に観てみると、「実写ではないか」と思わせるほどの滑らかな動き。光や風、息づかいまで表現された、これまでにないアニメーション表現に、きっと驚かれるはずです。特に100m走のシーンでは、スパイクの音やマイク録音による立体的な音響設計も相まって、まるで自分が走っているような臨場感を味わえます。
岩井澤監督は、ロトスコープの最大の強みを「リアルな動きを拾う」ことではなく「構図をつくれること」と捉えているそうです。実写で先に撮影することで編集のテンポも作りやすくなり、アニメーションならではの表現が可能になっているんですね。
見どころ②:声優陣の圧倒的な演技力
『ひゃくえむ。』のもう一つの大きな魅力が、声優陣の圧倒的な演技力です。特に、トガシ役の松坂桃李さんと小宮役の染谷将太さんのダブル主演は、作品の質を大きく左右する重要な要素となっています。
2人は映画『アントキノイノチ』(2011年)以来、実に14年ぶりの共演。その息の合った掛け合いは、まさに圧巻です。松坂さんは、生まれつき足が速い「才能型」のトガシを、染谷さんは、努力で這い上がってきた「努力型」の小宮を、それぞれのキャラクターの内面まで深く掘り下げて演じています。
松坂さんは、原作を読んだ時に「登場人物の呼吸や、風を切っていく音、足が地面について駆けていく音、汗、体温を感じました」とコメント。その感覚を声の演技で見事に再現しています。一方の染谷さんは、「魚豊先生の原作を読んだとき、聞こえないはずの100m走を走る音が聞こえてくるような、自分が風を切っているような躍動感を感じました」と語り、その躍動感を声に込めています。
2人の演技は、単にセリフを読むだけではなく、キャラクターの感情の機微まで表現しているのが素晴らしいです。トガシの恐怖や葛藤、小宮の情熱や執念が、声を通じて鮮明に伝わってきます。
その他のキャストも豪華です。財津役の内山昂輝、海棠役の津田健次郎、仁神役の笠間淳など、実力派声優が脇を固め、作品全体の質を高めています。
※※※ここからネタバレ注意※※※
物語の核心に触れる内容を含みます。未視聴の方はご注意ください。
見どころ③:哲学的な問いと誰に共感できるか
『ひゃくえむ。』は、単なるスポーツアニメではありません。物語の根底には、「何故走るのか」という哲学的な問いが横たわっています。この問いが、作品を単なるエンターテインメントから、深い人間ドラマへと昇華させているんです。
トガシは、生まれつき足が速いという才能によって、友達も居場所も手に入れてきました。しかし成長するにつれ、勝ち続けなければいけない恐怖に怯えるようになります。才能があるがゆえの重圧。走ることの意味を見失っていくトガシの姿は、多くの人に共感を呼ぶはずです。
一方の小宮は、辛い現実から逃れるために走り始めます。転校生として新しい環境に馴染めず、走ることだけが自分の居場所だった。そんな小宮が、トガシとの出会いをきっかけに、100m走にのめり込んでいく。努力で這い上がろうとする小宮の姿も、また多くの人に響くでしょう。
「才能型」と「努力型」。どちらに共感できるかは、観る人によって違うかもしれません。でも、どちらも「100mという距離に、すべてを懸ける」という点では同じです。その情熱と狂気が、物語を動かしていきます。
数年後、天才スプリンターとして名を馳せるトガシと、トップスプリンターの一人となった小宮が再会する場面は、物語のクライマックスの一つ。2人の対決は、単なる勝負を超えて、それぞれが「何故走るのか」という問いに対する答えを探す場となります。
この哲学的な問いは、原作者の魚豊が『チ。―地球の運動について―』でも描いたテーマと通底しています。『ひゃくえむ。』は魚豊の連載デビュー作で、『チ。』は連載2作目。両作品は「個人→世界→社会」という三段階の哲学的構造を下敷きにしたトリロジー(3部作)の一部とされています。
だからこそ、単なるスポーツアニメではなく、深い人間ドラマとして、スポーツに興味がない人でも楽しめる作品になっているんですね。
見どころ④:原作とは違った良さ
『ひゃくえむ。』は、魚豊の原作マンガをアニメ化した作品ですが、原作とはまた違った良さがあります。これは、アニメーションという表現媒体ならではの魅力が存分に活かされているからです。
まず、ロトスコープによる映像表現。原作マンガでは静止画で表現されていた100m走の疾走感が、アニメーションでは動きとして、音として、息づかいとして、より立体的に表現されています。特に、スパイクの音やマイク録音による立体的な音響設計は、映画館での体験を最大化するために特別に制作されたもの。この音響効果は、アニメならではの表現と言えるでしょう。
次に、声優陣の演技による新たな解釈。松坂さんと染谷さんの声の演技は、原作のキャラクターに新たな命を吹き込みます。セリフの言い回しや、感情の機微が、声を通じてより鮮明に伝わってくる。これは、マンガでは表現しきれなかった部分を、アニメが補完していると言えます。
また、岩井澤健治監督の演出も、原作の魅力をさらに引き立てています。監督は「一見エンターテインメントにならなさそうな、ギリギリを攻めていきたい」とコメントしており、観客が最初から求めていないエンターテインメントでも、鑑賞後に「こういうのも面白い」と思ってもらえる作品づくりを目指しています。
原作を読んだことがある方も、まだ読んでいない方も、アニメ版『ひゃくえむ。』は別の作品として楽しめるはずです。原作の良さを活かしつつ、アニメーションならではの表現で、新たな魅力を加えている。それが、この作品の素晴らしいところなんです。
こんな人におすすめ
『ひゃくえむ。』は、こんな人におすすめです。
- ロトスコープという革新的なアニメーション表現に興味がある人:これまでにない映像体験を味わいたい方には、ぜひ観ていただきたい作品です。
- 哲学的なテーマが好きな人:「何故走るのか」という問いを通じて、自分自身の生き方を見つめ直したい方にもおすすめです。
- スポーツに興味がない人:多くの視聴者から「スポーツに興味がないけど、グッとくる」「何故走るのかという根本的な問いが深い」という声が寄せられています。食わず嫌いなら勿体ないです。
- 松坂桃李や染谷将太のファン:2人の14年ぶりの共演は、ファンにとって見逃せない作品です。
- 原作の『ひゃくえむ。』や『チ。―地球の運動について―』を読んだことがある人:アニメ版では、原作とは違った良さを味わえます。作者・魚豊さん好きならぜひ。
視聴者の反応・評価まとめ
記録的な大ヒット
『ひゃくえむ。』は、2025年9月19日の劇場公開以来、大きな話題を呼びました。公開3日で興行収入1億円を突破し、約2カ月で7億円を突破。動員数も47万人に達する大ヒット作となりました。
日本での評価
Filmarksでは4.2点(5点満点)という高評価を獲得。評価分布を見ると、49%が4.1~5.0点、47%が3.1~4.0点と、高評価が大多数を占めています。
特に目立つのは、ロトスコープ技術への称賛です。「実写ではないかと思わせるほどの滑らかな動き」「見たことないようなアニメ表現」という声が多く寄せられています。
また、声優陣の演技も高く評価されています。「松坂桃李と染谷将太の掛け合いが素晴らしい」「声優陣の演技が圧倒的」という感想が多数。
物語への反応も好評です。「何故走るのかという根本的な問いが深い」「スポーツに興味がない人でも楽しめる」「才能と努力の絶望、ライバルとしての絆が感動的」という声が寄せられています。
著名人・専門家の反応
著名人からも絶賛のコメントが相次いでいます。南海キャンディーズ・山里亮太さんは「ひゃくえむ。傑作すぎる…いやぁ、とりあえず色々メモに残したい」とポスト。東野幸治さんは「出たな!最高傑作。…エグいぐらい面白い!!」と猛プッシュしています。
マユリカ・中谷さんは「キャラが走っている時、こちらも気付けば、歯を食いしばって同じ表情をしている」と感動を表現。もう中学生さんは「何度もなぬー!!となる作品でした」とコメントしています。
さらに、日本選手権100m4連覇の江里口匡史さんなど、陸上競技の現役選手からも絶賛の声が寄せられています。
まとめ
『ひゃくえむ。』は、ロトスコープという革新的な技術で描かれた、これまでにないアニメーション体験を味わえる作品です。松坂さんと染谷さんの圧倒的な演技、そして「何故走るのか」という哲学的な問いが、作品を単なるエンターテインメントから、深い人間ドラマへと昇華させています。
原作とはまた違った良さがあり、アニメーションならではの表現が存分に活かされています。スポーツに興味がない方でも、きっとグッとくる作品です。
2025年12月31日からNetflixで世界独占配信がスタートしました。まだ観ていない方は、ぜひこの機会にチェックしてみてください。きっと、新しいアニメーションの可能性を感じられるはずです。
ムラサキ魚豊作品はすべて読んでます。

