「自分らしく生きる」って、簡単に言うけど難しい。そんなテーマの映画を探している方に、ぜひ観てほしい作品があります。
Netflixで2026年2月から配信中の『This is I』は、タレント・はるな愛さんの実話をもとにしたヒューマンドラマです。幼い頃からアイドルを夢見た少年ケンジが、性の違和感と向き合いながら「アイ」として生きる道を選ぶまでを描きます。
主演はオーディションで選ばれた望月春希、医師・和田耕治役に斎藤工が共演。昭和歌謡に乗せたダンスシーンがキラキラしていて、重いテーマなのに観ていて楽しい。Filmarksでは3.9点を獲得し、1万件を超えるレビューが寄せられています。
この記事では、望月春希の圧倒的な演技から昭和の小物の仕込み、中村中の存在感まで、見どころを5つに分けてお伝えします。後半では和田医師との出会いや性別適合手術の描写にも触れます。
※この記事にはネタバレが含まれます。未視聴の方はご注意ください。
『This is I』の基本情報
あらすじ
幼い頃からアイドルを夢見ていた少年ケンジは、成長とともに「自分らしさ」と周囲の視線に悩むようになります。学校でいじめを受け、家族にも相談できずにいたケンジは、両親に内緒で働き始めたショーパブで華やかなメンバーたちと知り合い、「アイ」という名前でステージデビューを果たします。
そこで恋に落ちた貴公子のようなダンサー・タクヤと、過去に患者を救えなかった苦悩を抱える医師・和田耕治との出会いが、アイの人生を大きく変えていきます。当時の日本ではタブー視されていた性別適合手術の現実と、二人の強い信頼関係を、時代を彩るヒット曲と軽やかなダンスとともに描いた130分の物語です。
配信情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 配信サービス | Netflix(世界独占配信) |
| 配信開始日 | 2026年2月10日 |
| エピソード数 | 劇場作品(130分) |
| ジャンル | 伝記、ドラマ、LGBTQ+ |
| 主演 | 望月春希(アイ/ケンジ) |
| 監督 | 松本優作 |
| 原作 | はるな愛『素晴らしき、この人生』、『ペニスカッター:性同一性障害を救った医師の物語』 |
| 脚本 | 山浦雅大 |
| 主要キャスト | 斎藤工(和田耕治)、吉村界人(タクヤ)、中村獅童(鶴久)、木村多江(初恵)、千原せいじ(和孝)、中村中(アキ)、MEGUMI(裕子) |
| 使用曲 | 松浦亜弥「Yeah! めっちゃホリディ」「ね~え?」、松田聖子、中森明菜、チェッカーズ、TRF、プリンセス プリンセス等 |
| Filmarks評価 | 3.9点(5点満点) |
| 制作 | 東宝スタジオ等 |
相関図で整理する『This is I』
物語の人間関係を整理するため、視聴後の振り返り用としてご覧ください。
graph TD
%% --- デザイン定義(見たログ専用) ---
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classDef key fill:#ffffff,stroke:#1F8A9E,stroke-width:1.5px,color:#333;
%% ノード定義
Ai("アイ/ケンジ
(望月春希)"):::main
Wada("和田耕治
(斎藤工)"):::key
Takuya("タクヤ
(吉村界人)"):::key
Aki("アキ
(中村中)"):::sub
Hatsue("初恵
(木村多江)"):::sub
Kazutaka("和孝
(千原せいじ)"):::sub
Producer("名物プロデューサー
(藤原紀香)"):::sub
Shacho("芸能事務所社長
(山村紅葉)"):::sub
Geinin("常連客の芸人
(星田英利)"):::sub
Tsuruku("鶴久
(中村獅童)"):::enemy
Yuko("裕子
(MEGUMI)"):::sub
%% 関係性
%% タクヤを左側に配置するための記述順序調整
Ai -->|恋に落ちる| Takuya
Hatsue -->|母| Ai
Kazutaka -->|父| Ai
Aki -->|ショーパブの先輩として支える| Ai
Ai -->|深い信頼と絆| Wada
Wada -->|初めて性別適合手術を執刀| Ai
Producer -->|才能を見出す| Ai
Shacho -->|オーディションで拾い上げる| Ai
Geinin -->|下積み時代をそっと見守る| Ai
Tsuruku -->|医療行為に目を光らせる刑事| Wada
Yuko -->|同じクリニックの看護師| Wada
ムラサキ視聴後にまた来てね。
望月春希の圧倒的な演技——楽屋から舞台へ駆ける「変身」の瞬間
本作最大の魅力は、主演・望月春希さんの存在感です。
オーディションで選ばれた新人とは思えないほど、アイの役に完全に溶け込んでいます。劇中に何度もあるakaneさん振り付けのダンスシーンは、キラキラでカラフルでとても可愛い。そしてそれを踊る愛が本当に幸せそうで、楽しそうで、でもなぜか泣きたくなり、笑いながら泣くというなんとも不思議な視聴体験でした。
個人的に一番テンションが上がったのは、楽屋から舞台までの道をかけていく後ろ姿のシーンでした。魔法で変身する様を見ているみたいで、キラキラしていて、うわーっ!てなります(もちろん、笑い泣き状態)。シリアスなシーンや苦しいシーンも暗くなりすぎず、良い塩梅になっているのは、望月さんだからこそだと思います。
昭和の小物に込められた丁寧な仕込み——リップケースとタッパーに感動
重いテーマの作品なのに、観ていて楽しい理由のひとつが小物の丁寧さです。
ディオールのネイビー&ブルーのリップケース、イラスト入りのタッパー。昭和のそれで、丁寧な小物の仕込みに感動。テンションが上がってしまいました。時代を感じさせる小道具が、物語のリアリティをぐっと高めています。懐かしい昭和ポップスを歌って踊っているシーンは、当時を知る世代には特に刺さるはずです。
往年のはるな愛さんが歌ってきた名曲も網羅されていて、映画全体が昭和の空気に包まれています。こうした細部へのこだわりが、観ている側に没入感をもたらしてくれます。
中村中の性別を超越した存在感——所作・言葉・スタイルのすべてがかっこいい
アキ役の中村中さん、ありきたりな言葉ですが本当にかっこよかった。
所作から言葉からスタイルから、何から何まで。性別を超越した存在感で、画面に映るたびに目が離せませんでした。ショーパブの仲間としてアイを支える役どころですが、その存在感は名バイプレイヤーと呼ぶにふさわしい。中村中さんならではの佇まいが、この作品に独特の彩りを添えています。
思わず「ねえさん」と呼びたくなる人。人生、誰と出逢うかが大事だというメッセージと相まって、とても印象に残りました。
吉村界人演じるタクヤの得も言われぬ魅力
アイが恋に落ちる貴公子のようなダンサー・タクヤ。吉村界人さんが演じるこの役の魅力は、言葉で説明しづらいんです。
優雅で、凛としていて、それをそのまま受け止めていいのか?吉村さんの魅力に戸惑います。何も考えていないようで、アイのことをちゃんと見ている。その得も言われぬ危うい雰囲気が、吉村界人さんの演技でしっかり伝わってきます。恋愛描写も、誇張されすぎず、リアル過ぎずに描かれていて、観ていて心地よかったです。タクヤという存在が、アイの人生にどれだけの意味を持っていたか。物語を追うとよくわかります。
※※※ここからネタバレ注意※※※
物語の核心に触れる内容を含みます。未視聴の方はご注意ください。
和田医師との出会い——性別適合手術へと向かう物語の核心
本作のもうひとつの軸が、医師・和田耕治との出会いです。
当時の日本では、性別適合手術はタブーでした。医師がその分野に足を踏み入れること自体、社会的なリスクを背負う選択だったはずです。そんな中、過去に患者を救えなかった苦悩を抱える和田が、アイの深い苦悩を知る。そこから「この人(たち)の心を救いたい」と、性別適合手術の世界に進む決意をする。和田医師のその決断の重さが、斎藤工さんの演技でしっかり伝わってきます。命を救うだけでなく、心を救う。医療とは何か、という問いを突きつけられた気がしました。
アイの強さには、何度も涙しました。差別や偏見が今よりもずっと多かった時代に、自分らしさを貫いた姿。でもその背中を支えた和田医師がいなかったら、この物語はなかったのでしょう。実在の和田耕治医師は、600人を超える患者の手術を手がけたそうです。映画のラストで、その事実が伝わってきたとき、改めて胸が熱くなりました。
こんな人におすすめ
自分らしく生きる物語が好きな方に、特におすすめです。
✔ 子役の演技が好きな方:個人的に『さかなのこ』のミー坊と双璧と言える子役の存在感があります。
✔ 昭和の小物・レトロにこだわる方:リップケースやタッパーなど、丁寧な小物の仕込みで世界観に没入できます。
✔ 自分らしく生きる物語が好きな方:はるな愛さんの実話に基づくヒューマンドラマです。
✔ ミュージカルやダンスシーンが好きな方:昭和歌謡に乗せたキラキラしたステージが楽しめます。
✔ 『ブルーボーイ事件』を観た方:類似する題材で違うテイストを堪能できます。
視聴者の反応・評価まとめ
Filmarksでは3.9点(5点満点)を獲得し、1万件を超えるレビューが寄せられています。
「ドラマとして見やすく、分かりやすくて、刺さる言葉もたくさん。愛ちゃんの生きる道を応援してくれた人たち、特にお母さんとのやり取りは感動しました。最後は笑顔で歌って踊って終わるのがよかった」という声が多く、「人は誰でも周りに支えられている。それがこの物語のテーマのような気がする」という感想も。望月春希の演技については「死んでもいいくらいに暴走し、時折立ち止まって涙を誘う緩急に優れた大熱演だ。日本のエンタメ界は強烈な人材を手に入れたのではないだろうか」という評価も目立ちます。
一方で「出だしも良く、題材もいいので見始めはかなり期待値が上がったが、途中でかなり失速。いい題材なのにうまく料理できてない感じでもったいない」という声も。テンポやミュージカル演出の好みが分かれる面はありますが、テーマ性を重視する視聴者には深く刺さる作品です。
まとめ
『This is I』は、はるな愛さんの実話をもとに、自分らしく生きることの意味を問いかける作品です。望月春希さんの圧倒的な演技、昭和の小物への丁寧な仕込み、中村中さんや吉村界人さんの存在感。そして和田医師との出会いが、アイの人生を変えていく様。明るくても涙、哀しくても涙。そんな作品でした。
週末に「何か心に響く映画を」と思ったとき、ぜひ手に取ってみてください。個人的には、涙活としておススメしたい作品でした。
ムラサキずっと楽しくてずっと哀しい。
そして、最後スッキリ。最高。

